会社主催でお客さん向けのクローズドな製品紹介イベントをやったらしいのだが、営業・マーケティング部門主導なこともあり自分は蚊帳の外関係なく平常運転だった。ちょっとした寂しさを感じつつも、これは遥か昔に自分が望んだことだったのを思い出した。
二十代の頃、勤めていた会社では社員旅行なるものがあり、大勢で沖縄とか宮崎とかへ遊びに行って親睦を深めたものだった。しかし IT 系の自社サービス運営企業の常として、インフラエンジニアとカスタマーサポートは原則不参加だった。ウェブサイトとサポート窓口をーービジネスをーー止めないために、他の人間がリゾート地で飲めや歌えやと遊んでいる間も彼らは働いていた。そんな彼らを、姿の見えないオペレーターたちをかっこいいと思ったし、密かに憧れてもいた。
いまは自分がその役割を果たしている。24/7 というわけではないし、期待に添えているかはなんともいえないけども、会社とお客さんたちのビジネスを止めないために昨日も今日も明日も働く。表に出ることのない、地味で顔の見えない役回りだけど、そこに居る意味がちゃんとある、と自信を持てることをやっていると思える。それは十分幸せなことだと思う。