3-3 で引き分け。先制するも追いつかれ、突き放し、また追いつかれ、今度は逆転され、しかし後半アディショナルタイムに追いつくという手に汗握る展開。乱打戦だったが、なんとか勝ち点 1 をもぎ取った。
金沢駅前のアイリッシュパブ ZOWIE で観戦。キックオフ間近に到着したらすでにけっこう入っていて空いてるテーブルは残り少なかった。ここは 225BAR と比べるとだいぶ小さい店でプロジェクターもなかったが、チャージなしでドリンク一杯からで OK なのでリーズナブルだった。顔見知り同士のお客さんも多く、アットホームな雰囲気だった。ツエーゲンの試合を観にきたわけではなさそうな外国人観光客がほんとにフラッと立ち寄って一杯飲んで去っていった。パブ文化みたいなものを感じた。
今日は奈良がゲームをしっかり組み立てて鋭い攻撃をみせ、一方の金沢はロングボールやカウンターからチャンスを逃さず決めに行く形。言うなれば奈良が格上のサッカーをし、金沢が格下のサッカーをした試合だった。それでも金沢が先制して二度もリードしたのだからわからないものだ。前節の相模原戦でしっかり組み立てるサッカーで勝ち、今節もスタメンをほぼ変えずに臨んだのでてっきり同じやり方をするのかと思ったらガラッと違ったので驚いた。
今日は MF 梶浦が大車輪の活躍だった。1 得点 2 アシストで 3 得点すべてに絡んだ。2 アシストはいずれも個の強さを見せたし、コーナーキックからダイレクトに決めたシュートは位置どりもコースも見事だった。1 点目は梶浦のクロスが奈良の選手に当たってコースが変わり、それで中央にいた奈良の DF が体勢を崩されたのもあって奈良にとってはアンラッキーだったが、その前に梶浦が後ろからのパスを空中でトラップして前に落としながら相手選手を抜いてスピードを落とさず右サイドに切り込んでいったプレーは素晴らしかった。
守りもスリーバックは開幕三試合とは比較にならないほど安定感が出てきた。後ろからの組み立ても危なっかしさが減ってきたし、2 点目の起点になった DF 畑尾のロングフィードなどのオプションも精度が増して怖さが出てきた。ただ、今節は右サイドを徹底的に攻められ、結果的にそこを崩され続けた。DF 櫻井が攻撃的で積極的に前に上がって攻めるぶん、その裏をやられた。3 失点すべてが右サイドからのクロスに合わせられる形。ミス起因ではなく、シンプルに相手が上手く、崩された。ただ、金沢の 2 点目は櫻井が右サイドの高い位置で受けてインターセプトされたこぼれ球を梶浦が詰めて拾って前に切り込んでクロスという流れで、櫻井の攻め上がりからの得点だったわけで、良さは出ていたし結果にも繋がった。攻撃的な右サイドは金沢のストロングポイントでもあり、ウィークポイントでもあるといえる。
大谷・土信田も決めるべきシーンで決めて、FW としてきっちり仕事をした。大谷はゴール前フリーで、あれを外したら戦犯扱いもやむなしという感じではあったが。土信田が初得点後にゴール裏の金沢サポに駆け寄って頭をくしゃくしゃにされてるシーンは良かった。攻撃といえば櫻井がカウンターで相手キーパーと一対一というシーンがあったが、あそこはパスではなくシュートで勝負して欲しかった。3 点目の梶浦が素晴らしかった件はもう書いたが、毛利のコーナーキックも素晴らしかった。後半遅くからの出場でほぼあのワンプレーくらいしか仕事をするチャンスがなかったと思うが、そこで期待に応える本番強さを見せた。アディショナルタイムが 6〜7 分と長かったのも追う金沢に幸いしたが、最後まで諦めずに執念で泥臭くプレーしたからこその勝ち点 1 だった。
今日も金沢サポの応援は DAZN 越しに大きく聞こえていた。梶浦のインタビューで応援に注文がついたとかいう話を SNS で見かけたが、ゴースタでおれも似たようなヤジっぽい声援を聞いたことがあるので、まあ言いたくなるサポーターの気持ちもわかるし、それを快く思わないサポーターの気持ちもわかる。サッカーの応援は良くも悪くも統率が取れているものだという共通認識が出来上がりつつあるので、ヤジっぽいのは浮くよなあという印象。
試合後のインタビューで梶浦は「勝てる試合だった」と言っていて、確かに先制もしたし金沢がリードする展開ではあったが、内容的には互角、むしろ奈良のほうが良かったくらいで、決してイージーな相手ではなかったと思う。これが金沢の現状だということを忘れずに、次節に臨んで欲しい。第 8 節はホームで松本山雅戦。松本サポが 3,000 人以上来るらしい。果たして金沢のファン・サポーターは人数で勝ることができるのか。次はゴースタ初のゴール裏で観戦予定。