@kyanny's blog

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マルホランド・ドライブ

傑作と名高いデヴィッド・リンチの代表作。初めて観た。

二時間半と長いが、その不思議な雰囲気に引き込まれて飽きずに最後まで観た。序盤の不穏な雰囲気(主にカメラワークと BGM による)は「ツインピークス」と非常に似ている印象を受けた(数話しか観てないが)。そもそも「ツインピークス」シーズン2を想定して構想された話が紆余曲折あって映画になったといういわくつきなのでさもありなんだが、これがデヴィッド・リンチの世界観なんだなと理解が深まった。

どれが現実でどれが非現実なのか境界があいまいで、難解。わかるまで何度も観るのが筋だとは思うがそんな根性はないのでネットのネタバレを読んで、「要するにこう言う話」というのはざっと把握した。が、そういうことよりもあの不思議な雰囲気を感じることのほうが重要で、ネタバレを読もうが読むまいが別に感じ方は変わらない気がする。

ネットでなんでも瞬時に調べられるようになって、なんであれ理解したい、いやわかった気になりたいと自分でも気づかないうちに行動や思考が直線的・硬直的になってしまっていた気がするが、こういうわけのわからない、しかし不思議と惹きつけられる作品を観ると、わからないことがあってもいいじゃないか、そもそもなんでもわかると思っているほうがおかしい、世の中も他人の頭の中もわからないことだらけなんだから、というおおらかな気持ちになってくるようだ。