@kyanny's blog

印刷は人間に対し市場を作り出し、国民軍を創設する方法も教えたのであった - マーシャル・マクルーハン「グーデンベルグの銀河系」

はてなアンテナ派閥話って、テキストサイトの相互リンクとかと似てるような

はてなアンテナのリストが派閥所属の証になってるって。これなんかみたことあるぞと思ったらテキストサイトのリンクと似てる気がしたんだ。


* はてなアンテナの登録リストを見て所属している派閥を判断
* 相手がアンテナ登録したらこちらも登録しなければならない
* 相手が外したらもちろんこちらも外す
* アンテナ被登録数は常にチェック
* 自分の被登録数を、気に食わない相手の被登録数が抜いたら「負け」
* 自分の気に入らない日記をアンテナに登録している他人に「外せ」と言う

俺はいわゆるテキストサイト全盛期を知らない。けれど、斬鉄剣がむかーし起こしたいざこざの話とかをあさったりして、テキストサイトの派閥関係ってのはすごいドロドロしていたんだなあと印象をもった(そしてリアルタイムで見たくて悔しがった)

アンテナが派閥をあらわしているのならば、当然それぞれの派閥にはリーダー、カリスマとなる存在がいる。派閥ってのは要するにそいつがどれだけの取り巻きを抱えているか、その数と質がステイタスになっているのだから、派閥の意向はリーダーの意向だ。いやリーダーの意向が派閥の意向だ。

それってつまり、影響力のある奴同士のパワーゲームってことだと思う。派閥に属する奴は、こちらにいたほうが自分に有利である、勝ちを拾える、という打算があるから所属する。「そんなんじゃねーよただ面白いからつるんでるだけだ」という人はかのせさんが挙げたような条件になんて従ってないのだからここでは除外。



それはそれとして、コミュニケーションの可視化が起こす問題という別のエントリ。引用してもらった部分はただの愚痴で、まあ書いてあるけどモヒカン族とかいってすごい楽しそうだし人気者が集まってるしでうらやましいやらねたましいやらで書いたんだけど。

細分化されてそれぞれの島ごとにプチカリスマができる、なんてのはそれこそモヒカン族がとてもわかりやすい例だと思う。モヒカン族は「モヒカン族はカリスマなどではありません」と反論するだろうけど、注目を浴び、話題の中心にいることは事実だ。彼らが望んだか望まないかと無関係に、彼らは一時的にせよ、カリスマに祭り上げられた。

けど、ちょっと視点を広げてみれば、モヒカン族の話で盛り上がっているのなんて、はてなダイアラーの中でも一部の人だけ。すごく狭い部分のマニアックな話題でしかないわけで、カリスマなんていってもたかが知れてるわけだ。ところが、夢中になってる人たちは、特に盲信している取り巻きの側は、ただのお遊びってことを忘れてしまいがちだ。それが全て、になってしまう。価値を見出しすぎてしまう。俺とかね。

これは、ネットがオフラインに比べて、情報の遮断が簡単すぎるから、興味のあるごくごく一部の出来事だけにダイレクトにアクセスできてしまい、その世界が全て、に見えてしまうんじゃないかと思う。RSSリーダとかは、効率よく自分の興味のある情報にアクセスする手段で、究極的には興味のない情報を遮断していくものだともいえるから、今後そういう「島カリスマ」の影響力はどんどん強まっていくと思う。

で、「人気の可視化」で人は自分の所属するごくごく狭い世界の出来事に一喜一憂し振り回されるようになり、影響を受けすぎることへの抑止力として、何かないのかっていうところまで話は進むらしい。これには、ソーシャル・ファブリックシステムみたいなアプローチ、つまり人間関係を可視化する方法論では逆効果になるんじゃないかなー。システムが管理できる形にするってことは、つまり画一化していくことで、それはスクールカーストをよりドラスティックにしてしまう。ドラスティック?つまり強化しちゃうよねってことが言いたい。

俺は、「他の島に橋を渡す」のはどうだろうと思う。たとえばはてなダイアリーだと、キーワードから勝手に人がきて、引用されると勝手にそれが見えるようになって、「あー自分と同じ話題に興味持ってるこんな人がいるんだ」ってのがわかる。そこにほんのちょっとの縁が、自分の今いる島の外の世界とのつながりが生まれる。「自分に興味持ってる人が何人いる」っていう数字ではダメで、一人でもいいから「この人が」ってのがわかるのがいい。

自分が今必死になって見ているものだって、自分の興味関心の全てが詰まっているわけではない。そこでは話題にあがらない、しかし興味がある話題を、ピンポイントで取り上げる誰かと、偶然に(システム的には当然に)出会う。それって嬉しいことだし、そこから「ただ面白いからつるんでるだけだ」という、派閥だ人気だなんてこととは無縁のコミュニケーションが作られていったら、いいことじゃない、と思う。

つまり、可能性を示してあげるものがあって欲しい、と思うのだ。「人気者になれると思ってはてなダイアリーを書き始めたのにみんな儀礼的無関心とか言及リンクなしトラックバックの是非とか難しい話ばかり!これじゃ僕がアイドルマスターの話を書いたって誰も注目してくれないよウワーン」ってへこみそうになってる人に、「このキーワードを使った人が、こんな日記を書いています」って、アマゾンで購入ボタン押したあとみたいに出てくるような、そういうおせっかいね、そういうものがあると、救いになるんじゃないかなあと思う。

なので、どこで誰が書いたことかすっかり忘れちゃったけど、はてなは「はてなエンゲージ」でも「はてなボーイミーツガール」でもなんでもいいので興味関心の近そうな人たちを勝手にマッチングする新サービスをリリースしたらいいと思います!売りは「同性『と』出会える!」で。でもこれじゃ弱いな。もっといいコピーが思い浮かばない。

そして、他者の思考の過程を読むのは楽しいなあ。結論をバーン!と出されて、それに同意するとか反論するとかもいいけど、そこまで白黒はっきりしないもやもやしてるところを知るのは面白い。思考する楽しみを共有できた気分になるっていうか。論文じゃないんだし全部「〜思った」で終わる、小学生の読書感想文みたいなのでも思い立ったが吉日でみんなどんどん書いたらいいと思った。(感想文終わり)