@kyanny's blog

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室井佑月のコラムを読んだ

オタク諸君!!「電車男」見て勘違いするなよ〜というのをみて。

うーむ。口は悪いが、好意的に解釈するならば、「もてないおたくは電車男効果にあんまり期待しすぎないようにね」という忠告だとも受け取れるけど。こういう書き方はこの人のスタイルなんだから仕方ないんだろうけど、わざときつい言い方をして反響を煽ってる気がしてなんかやだな。

でも、「ドラマのおたくはきみらの仲間じゃないからね」という部分にはちょっと異議あり。おたくがエロゲーとか好きだからって、夢見がちな乙女と同じように考えてませんかい?おたくは「作られたもの」には敏感ですよ。おたくじゃない人がドラマや小説を消費する何倍ものペースと集中力でアニメやゲームや漫画やライトノベルを消費してるんだから、「作られたもの」の品質に対する目は格段に鍛えられているもの。ドラママニアの人は脚本を批評したりはするけど、俳優のメイクや大道具小道具の出来、はては制作スタッフの過去の経歴なんてものに思いをはせたりしますか?

あと、マスコミの役目は意固地なおたくを説得することだった、という聞きなれない自説を展開しているけれど、俺は別に説得する必要はないと思う。マスコミは「金儲けになりさえすればいい」という価値観でコンテンツを作ってきたわけで、マスコミにとっておたくという題材は、もちあげては落とす、子どもがバッタの足をもいで笑っているような無邪気な(罪の意識のカケラもない)やり方でもてあそぶのが一番の料理法だったわけだ。それはそれで理屈は通っているので、マスコミがおたくの意識改革役を担わなかったことは批判の対象にはできないのではないかな。

ただ、俺はそういうマスコミのやり方は悪趣味だと思うし、だからマスコミという存在が嫌いだ。まあ具体的には電通・博報堂を筆頭とする広告代理店と、民放テレビ局、それからファッション雑誌出版社とか、あからさまにおたくを馬鹿にし迫害してきた組織をマスコミと呼んでいるので、かなり狭い意味でこの言葉を使っているけど。

で、おたくはマスコミに虐げられている意識というか、マスコミによって自分たちが不当に扱われ、世間一般において悪い評価を受けるはめになったことをちゃんとわかっていると思うから、マスコミの説得なんぞにははなから期待していないと思う。だいたい、電車男のドラマ第一回がオンエアされたとき、ブログの記事は「OPがダイコンだ!!」と「あんなのおたくじゃない!!」という二つの感想ばっかりだったじゃないですか。たぶんそれ室井佑月は知らないんだよなあ。おたくは電車男はちゃんと消費したけど、夢みたりはしてませんよ。

それとは関係ないけど、室井佑月って俺と誕生日同じだったんだなあ。忘れていた。ちょうど10年先輩にあたるのね。
http://www.domos.jp/plofile/muroi.html