@kyanny's blog

流行はつねに前進していく。そして、精神の偽りの自由が絶えずせり上がっていく - ロマン・ロラン

噂の「メガネ男子」を読んだ

噂って何かって?そりゃあ当然、もめごとがあったってことですよ!

http://d.hatena.ne.jp/manmachine/20050919

「編集サイドと本に載ってる人の間でトラブルがあって一刷と二刷で内容が変わるだって!?ムッハーこうしちゃおれない二刷が出回って幻の一刷にプレミアがつく前に手に入れておかなくちゃ!」という不純極まりない動機で買ってきた。

メガネ男子

メガネ男子

とりあえず、この本において重要だと思われる「メガネ男子愛好女子サミット」と、ハチクロ真山・野宮についての言及をかいつまんで先に読んだ。感想としては、

真山ってば一部の女子(ネットジャンキー)にモテモテ!でもモテようと思ってうかつに真山メガネをかけたりすると大ヒンシュクを買いそうだから気をつけないと!あとメガネ芸人多すぎ!」

という感じだった。以下、この本について残念、物足りないと感じたところと、良かった、よくやったと思ったところを書く。

まず、残念、物足りないと感じたところ。サミット内で「ミクシィ」だの「ツンデレ」だの「非モテ」だのと、これ書いてるやつ相当ネットジャンキーだなーと思えるような単語が随所に見受けられた。いやmixiのコミュが発端らしいから当然なんだけど。で、そのどれもがほんのたしなみ程度にしかふれられていなくて、むしろ「ネットで話題のキーワードをちりばめて撒き餌」的なやっつけ感がありありで、不満だった。

だって、切り口は悪くないと思うのだ。非モテファクターとしてのメガネ、という題材だけでも十分このくらいの厚さの本は書けるだろうし、メガネとツンデレについても、メガネキャラがツンデレという属性をもっているのか、それともツンデレを記号化したもののひとつとしてメガネが捉えられているのかという内包関係は、深く掘り下げていけばツンデレという新しい概念をより明確化させられる新しい視点になり得たかもしれない。しかし、残念なことにこの本はそこまで掘り下げようとはしていない。

やはりこの本は、あとがきにメガネ男子をこよなく愛する女子たちの愛の結晶とあるように、メガネ好き女子によるメガネ好き女子のための本なのだ。メガネ好き女子同士で「うんうんそうだよねー」と頷きあうための共通の話題をまとめたガイドなのだ。いくら真山をカッコイイと思っているからって、男子が手に取るべき本ではなかったのかもしれない。

逆に、いいところをあげるとすれば、「このタイミングで出版したこと」だろうか。mixiの会員数が100万人を超えたというニュースが流れ、ツンデレ大全 完全保存版?僕たちの大好きなツンデレキャラが大集合!!という本の発売が決定され、非モテセレブがはてなを闊歩し、ハチクロのアニメは今月で終わる。そういうときに、旬の話題にちょっとずつ触れながらカジュアルなノリで世に送り出されたこの本は、話題にされるべくして話題にされた、仕掛け上手な本だと思う。もめごとというきっかけがあったにしろ、俺は見事に仕掛けにかかって購入したのだ。

しかし、やはりサミットの内容は「井戸端会議」の域を出るものではないと思う。「必然性のあるメガネでなければダメ」と「伊達メガネでも似合っていればいい」が両立するのはどうかと思うし、それに「似合うための努力をしてないメガネはNG」なんてのが入ってくると、もうお前ら結局メガネかけた状態で好みの顔立ちだったらなんでもええんちゃうんかいと言いたくもなってしまう。あげくは「くるり岸田風は残念メガネ」ときたもんだ。モテるための努力の一環としてファッションとしてのメガネにチャレンジしている最中なのだな、というポジティブな見方はできないものか。非モテ論争に目を通しているのなら、男子のもつ「モテへのあくなき求道心」も理解していただけるはずなのだが。

そして、菊池氏もちょっと大人げない。井戸端会議であることは当事者もよくわかっていて、だからこそサミットのトビラのページに、このように書いてあるではないか。

その結果、身勝手で無礼な発言のオンパレードとなりましたが、それらはみんな、激しすぎるメガネ愛のせい。珍重すべき意見として一部敬称略で公開してしまいます。関係者のみなさまにはこの場を借りて深く土下座。多少のヒートアップはメガネ男子好きに免じてご容赦ください。

わざわざエチケットペーパーひいているのだから、ここはさらっと流してやるのが「エレガンの微」と評された大人メガネの見せ所ではなかったか。編集サイドとのやり取りもいろいろあったのだろうが、本に書かれた内容を、菊池氏に関するほとんど一切の予備知識なしで読んでみても、ネガティブなイメージを抱かせられるほどのものではなかった。

むしろ菊池氏批判発言をしたひとの勝手っぷりが際立った。「ナルシストメガネは嫌」と言った直後に「及川光博は抑えてるからオッケー」なんて言ってるし。あんだけナルシストキャラでも「これでも抑えてます(笑)」っていうパフォーマンスがあればオッケーなのかよ!それって単に顔が好みかどうかで決めてないか?

とりあえず、総括として、「編集サイドと本に載ってる人の間でトラブルがあって一刷と二刷で内容が変わる本」に希少価値を見出せる、おしゃれでカッコイイメガネを探しているので参考にしたい、真山が載ってる印刷物なら聖教新聞でもいいから手に入れたい、というような方はこの本を買って「あーこれを大事にとっとけばヤフオクで高く売れそうだしちょうど新しいメガネ欲しかったからこれ読んでメガネ屋チェックできるし真山も載ってるし買ってよかったな」と満足すればいいのではないかと思います!それ以外の人は買う必要ないと思います!女子は知りません男子を対象にした話です!あとこれはプライベートな話になりますが次の給料が入ったらモテるために真山っぽいセルフレームのメガネを買ってついでに髪もパーマにしようと思っていたけどなんか痛い目みそうなのでやめておこうと思います!


―――もめごとで話題づくりののち「話し合った結果和解しやっぱり撤退しないことにしました」という円満解決出来レースまで含めた「仕掛け上手」だったのでは、という予測をたてられたのは、レジでカバーをかけてもらったあとのことでしたとさ。