@kyanny's blog

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SNS 見るのやめた

昨年末から SNS を見るのをやめた。目的は精神の平穏を保つため。誰が退職しただの、誰が本を書いただの、誰と誰が寿司を食っただの、そういう業界ゴシップで心惑わされるのに疲れ果てた。知る価値のある情報もたくさんあるが、 S/N 比が悪くなりすぎた。

また、 SNS に愚痴や攻撃的なことを書いたりしてしまうのもやめたかった。傍目に悪いし、書いてスカッとするわけでもない。いつか炎上するかもと内心びくびくしながらやめられない様はまさに中毒だった。

具体的にやったことは以下。

  • iPhone から Twitter と Facebook その他 SNS のアプリを削除した。隙間時間についつい見てしまう・書いてしまうのはこれで克服できた。
  • SNS からの通知メールをできるだけオフにした。特に効き目があったのははてなブックマークのマイホットエントリーお知らせメールで、自分にとって最大のゴシップ情報源になってしまっていた。メールを毎朝受け取るのをやめたことで、ゴシップはほぼ目にせずに済むようになった。
  • モバイルから SNS にアクセスしなくなったことで、デスクトップでも自然とアクセスしなくなった。
  • Facebook メッセージで家族や知人から連絡をもらったとき気づけないと困るので、 Messenger アプリは残した。 Facebook や Twitter に投稿したくなることもたまにはありそうなので、 Path から投稿することにした。

実際にやってみて、確かにゴシップの類を目にすることは少なくなった。仕事中も息抜きに SNS を見にいくということがなくなり、結果として仕事をさぼっている時間が激減した。浮いた時間ではそれまで目を通していなかった GitHub からの通知メールを暇つぶしに読むようにした。おかげで会社の業務で何が行われているかをそれなりに詳しく把握できるようになった。

ただし、それで心穏やかに暮らせるようになったかというと、そうでもなかった。もともと人付き合いが得意なほうではなく、オフラインで社交することなど年に数回しかないような生活を送ってきたので、オンラインで他者との関わりを絶ったことで孤独感が増した。いままであまりにも長くゴシップに振り回されるがまま過ごしてきて、疲労の回復にまだまだ時間がかかるということかもしれない。

懸念していた情報収集については、思ったほど悪影響はなかった。多くの情報に触れていても消化できなければ意味がない。意味がないことをやめただけなのでプラスもマイナスもなかった。技術関連の話題はいくつか購読しているニュースレター・メールマガジンの類である程度の動向はつかめている。イベントの類への参加は絶望的になったが、もともと気づいた時点で満席が当たり前という体たらくだったので、むしろ気づきもしなくなってせいせいした。

思ったことを書く場所が全くなくなってしまうとそれはそれで精神の健康を害しそうだったので、愚痴っぽいことは Day One アプリに書くことにし、何かトピックがある内容は瑣末でもブログに書くようにした。はてなダイアリー時代にもどったようなブログとの向き合い方をするようになった。ネガティブなことは結局こうして書いてしまっているけど、うっかり失言で炎上するおそれはなくなってほっとしている。

意外だったのが、妻の母から「最近 Twitter に書いていないようだが何かあったのか」と連絡があったこと。妻が昔アカウントを作ってあげて妻と俺だけをフォローしているのだが、けっこうまめにガラケーからチェックしているらしい。義母に心配をかけるのは本意ではないので、妻と出かけた際にはなるべく写真くらいは投稿するようにした。