@kyanny's blog

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どの技術を学ぶか

その時その時の状況や気分によって、「どの技術を学ぶか」という問いへの回答はころころかわってきた。

最近は、世の中のトレンドとか「潰しが効きそう」かどうかという打算的な尺度よりも、好き・または嫌いゆえに取り組まずにはいられない、というような個人的な感情とか衝動に素直に従ったほうがよい気がしている。

おれは「必要に迫られない限り、何もしない」性分だ。四十年も生きてればさすがにこの性分は死ぬまで変わらないだろうなとわかる。だから、もしおれが打算に基づいて行動するのであれば、「その技術を学ばざるを得ない状況に自分を追い込む」というアプローチでなければならない。それ以外の方法では、どんなに得な選択肢であっても怠惰さに打ち勝てない。

実際、ここ十年くらいのキャリアにおいては、「真に学ぶ必要がある」とその時その時に結論づけていたスキルを学ばざるを得ない環境を選んできた。結果論だったものもあるし、思惑通りにいかなかったものもあるが、基本的な指針は変わらない。つまり、おれはすでに「真に学ぶべきスキル」を学ばざるを得ない状況にあり、したがって現在進行形で学んでいる、といえる。

であれば、「最も重要な学習対象」にはすでにコミットしているのだから、余った時間は趣味に費やしても問題ないし、むしろ「最も重要なもの」に正しく集中するためにも、「他の重要そうなもの」をいたずらに増やさないほうが良い可能性もある。

別の観点で、おれは「気になったことは、役に立つかどうかにかかわらず、気が済むまで掘り下げる」性分でもある。これも打算的な選択とすこぶる対象が悪い一方で、「やらずにはいられない」ことは損得抜きにやり続ける。

結論、欲を出して「二番目以降に大事ではありそうだけど、最優先ではないし好きでやるわけでもないこと」に取り組んでも、結果が出るまで続く見込みは薄い。であれば割り切って「客観的に大事ではないし、やっても得にはならないが、やらずにはいられないこと」を後ろめたさ無しに好きにやるに任せたほうが、何かしら到達する点があるのではないか、そう思うのだ。