@kyanny's blog

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Re: 零細企業買収して売却した話|reisaikigyou_ma|note

面白かった。読んでるあいだ奥さんに「口開いてるよ」と注意された。先まで冷静に読んで動いてるあたりが戦略ゲームのプレイログを読んでるようで面白かった。疑惑のおじさんを売却先と見据えていたあたりとか。工場長として雇った大学の友人がどうなったか気になる。

面白かったので「DX(笑)」のほうの記事も読んで Twitter もみてたら衝撃の事実が(むしろ予想通りなのか?)

4/6 に売却して(Twitter みると 4/5 っぽい気もするが)二日後には辞めた社員を呼び戻し、二週間余りでせっかく IT 化(クラウド化)した会計処理業務を紙ベースに戻している。マジでフィクションなのか?と思うくらいあっけない後日談。おじさんに業務効率化の恩恵を正しく理解できる素養が少しでもあったなら「それを捨てるなんて とんでもない!」だったろうに。人間いくつになっても教育ってホントに大事なんだなという学びがあった。


40 を過ぎたあたりから、あろうことか会社経営というものにうっすら興味が出てきた。起業ではなくて、会社というものを運営するうえで必要な一連のオペレーションを学び、ひととおり回してみたい、という。修行したいんだろうか。とはいえもちろんあくまでゲームとして歯ごたえがありそうだな、程度のうっすらさ。サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい 人生100年時代の個人M&A入門 - @kyanny's blogを読んだのはまだ 30 代だったが結構印象に残ったのと、ここ数年の仕事経験も影響している。

おれの職歴を企業規模でみるとこうなる。

  1. 家族経営の零細企業
  2. 大企業(上場廃止)
  3. グループ会社内の中小企業(上場)
  4. 外資スタートアップ→国内大手の子会社
  5. 国内スタートアップ
  6. 外資大手の子会社

このうち、外資スタートアップ(が買収されたあとの子会社)で管理職になり、部門長として経営者の近くで仕事する機会がいくらかあった。どういう視点なのか、何がイシューなのか、どのように意思決定するのかなど、学ぶことは多かった。規模としてはただの中小企業ではあったが、そのぶん経営と現場の距離も近く、両方の視点を同時に持てた。

外資スタートアップには元戦略コンサルや MBA ホルダーが何名かいて、彼らはあらゆる点で勝ち目がないなあと晴々しい気持ちで認められる優秀な人々だった。国内大手の傘下になり一緒に働くようになった新たな経営者たちも、大企業で一定の地位まで上り詰めただけあって実力者であり、積んでるエンジンが違うと悟った戦略コンサルたちとは違うベクトルだが真似できないと思わせた。

ここまでの経験で、経営者というのは

  1. 異端児
  2. 優秀な実務家
  3. ビジョナリー

の三種類で(ダメ社長とかを除く)、いずれも自分のような凡人とは才能や能力の点で別世界の住人だという認識だった。

国内スタートアップに転職して少し認識が変わった。そこも経営者はもちろんおれよりは賢く、しかも若かったのだが、外資大手の元日本支社長とか時価総額一兆円超えのグループ企業総裁とか連続起業家などの超人ばかり見てきたおれの目には「まだ自分と地続き」感があり、新鮮だった。若き経営者たちがやっていることも、すぐに真似はできないくらい難しそうだがまったく理解不能な芸当というわけでもなさそう、という印象だった。

経営ゲームの類をほぼまったくやったことがないのでまず「A 列車で行こう!」でもやってろという感じではあるのだが、業務改善とかたぶん結構好きそうだし(コツコツやれるかはともかく)、対人コミュニケーションは感情をこめてやれつつも心の中では冷めてて距離を保てるし(なので非情な人事とか割と平気でできそう)、数字に弱く金勘定への関心が低いうえに金周りの実務経験ゼロという致命的な欠点以外はいくらか適性ある要素もあるんじゃない?なんて妄想したりしてるこの一、二年。

平社員と(中間)管理職は経験したのでまだ未経験の経営者というものに憧れがあるのかもしれない。この歳になって憧れとか寝言は寝て言え感がある。いや未知なる挑戦への好奇心と言い換えたい。ただおれが起業はありえないので(起業してまで成し遂げたい事業など思いつかない)、あくまでナンバーツー・スリー的な立場で改善・改革を手伝う、その活動を通じて経営的なものを体感し理解していく、なんてことができるととても面白そうではあるのだが……。

まあ自分で書きながら「そんなばかな」とツッコミしてるくらいなのでほんとにただの妄想に過ぎないけど、妄想でもなんでもいいからとにかく書いておけというのがおれの信条であるからにはいずれ書きたいと思っていた話題だった。なかなか書き始めるきっかけがなくて書けなかったけど、また一つ頭の中の奥底の一部を占有していたアイデアを吐き出せて少しすっきりした。