@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

連休はゆっくりと、しかしそれなりに予定もあって堕落しきらずに過ごせていて、まあまあ仕事からデタッチできているのだけど、電子書籍ストアで延々と読む本を探して何も買わない、というのが何日か続くとやはり調子良くないんだなあと自覚する。決断力、勢いがすっかり削がれている。

今の仕事でイマイチだと思うのが、仕事に関する勉強のしづらさ。特定の技術に関するものはもちろん、ずっと流行りのアジャイル開発とか組織・チームをテーマにした本などは軒並み役に立たないので読む意味がなく、そうすると IT とかビジネス系の本の大半が「読むべき本」の対象から外れてしまう。

この仕事に就くまで、本屋の IT 関連書籍の棚に行けばそこには読むべき本がぎっしり詰まっていて、その中から最も優先すべきものを泣く泣く選ぶ、というのが当たり前だった。勉強すべき対象が多すぎることが問題で、何を学ぶかは問題ではなかった。何から学ぶか、が問題だった。

ここへきて、もしかしたら職業人生で初めて、学ぶべきことが自明でないという状況に陥ったのかもしれない。自明でないというか、とにかく手当たり次第に新しいことを学べば何かしら役に立つはずとは言えない状況。むしろ大半のことは学んでも役に立たない、ということの張り合いのなさ。

しかし世の中の仕事の多くは、実はこれが普通なんじゃないか。IT エンジニアみたいに、学ぶべきことが無限にあり、何を学んでも何かしらプラスになるとピュアに信じられる職業のほうが珍しいんじゃないか。とすると、日本のビジネスパーソンは本を読まないとかいうのも仕方ないよなという気にもなってくるし、これはきつい状況だなと思う。実際の仕事を通じてしか学び成長することができない。読書とか自習でショートカットできない。これでは余暇があっても持て余してしまうし、モチベーションも下がる。下がった状態が平常値になってしまい、あると感じていた余裕もなくなってしまう。