@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

shelff

紙の本が毎月三冊送られてくるサブスクリプションサービスの shelff を始めてみた。

なぜ働いていると本が読めなくなるのかを読んで、あらためて紙の本もいいなあと思ったのと、これは SNS で評判が良くて読んでみた本だったが、偶然の出会いの良さも再認識した。

ネット書店では「偶然見かけた本が気になって手に取った」という体験がしづらいし、選択肢が多すぎて決めきれない。大きな書店でゆっくり本を選ぶ時間はなかなか作れないし、品揃えが良すぎるとやはり選べない。

なんか読みたくなりそうな本を適当にいい感じに見繕って定期的に送ってくれるサービスなんてなかったかしら、と思って調べてみて shelff を発見した。たくさんあるラインナップの中から読みたい本を選んでおくと、毎月その中から二冊、そして選んでないが関連がある本を一冊の合計三冊送られてくる。この一冊は届くまで内容がわからない。

選んでおいた中からランダムに、というのもいいし、関係ありそうな本がシークレットで一冊、というのもいい。本をもっと読みたいけど読みたい本を選びきれない、という悩みにピッタリハマるような気がして、申し込んでみた。

五月中旬に申し込んで、六月分から開始。初回は以下の三冊が届いた。

  1. 哲学的な何か、あと科学とか (二見文庫)
  2. 新版 考える技術・書く技術 問題解決力を伸ばすピラミッド原則
  3. 思考の整理学 (ちくま文庫)(シークレット)

外山滋比古の「思考の整理学」は有名な本で気になっていたが読んだことがなかったので、いい機会になった。

まずは久しぶりに手に取った単行本の「考える技術・書く技術」から読み始めたが、「はじめに」からすでに良い内容で期待できるし、読むのが楽しみ。これも、題名で気になっていたけど「次に読む一冊」と意思を持って買うまではいかなかっただろう。背中を押してもらえた感じ。

最初の三ヶ月は月 2750 円、以後は月 3850 円だが、本を十冊送り返すとまた三ヶ月間割引価格になる。送られてきた本でなくてもいい(そもそも、送られてくる本だけでは一冊足りない)。これも面白い仕組みだと思った。本の処分まで考えられている。

それにしてもこの値段で採算取れるのか?と不思議に思ったが、送られてくる本は中古だというので合点がいった。新刊をこの値段では送れないだろうけど、中古ならずっと安く済むし、引き取りサービスで送り返されてきた本をリサイクルできる。送ったのではない本を古本屋に売る代わりに送られてきても、そのまま在庫にできるわけで、なかなか考えたものだ。

唯一の懸念は、月三冊がハイペースすぎる可能性があること。全然読めなくて積読になるだけになってしまったら、解約ということになるだろう。あとは逆に嬉しい結果として、読書習慣がついて本を気軽に選んで買えるようになったら、それはそれで自分で読みたい本を読むだけなので、卒業ということになるだろう。