@kyanny's blog

My thoughts, my life. Views/opinions are my own.

Assist Lesson

ミスターヒップホップと。最近この人とは雑談するのが定番になってきた。前回は確か四月下旬。一ヶ月以上ぶりか。

近況報告という感じで、五月は風邪ひいて気管支炎になって参ったけど治ってきた話。「仕事のほうはどうだ?」彼はいつも仕事のことに話を向ける。「前は確か、厄介な問題を抱えてると言ってなかったか?」そうだったかな、そういえば前に話した、シニアポジションに応募したって話だけど「おう、そうだったな。どうだった?」残念ながら採用されなかったよ。選ばれなかった人は確かに優れている人だから、納得の結果だよ。「フィードバックはもらえたか?」上司からもらえたよ。そのポジションは「最終ライン」として自力で難易度の高い問題を解決しきる能力が求められているけど、正直自分がその仕事をこなせるか 100% の自信はなかった。応募前からね。だからインタビュー中も、自分にはその能力があると十分アピールできなかったんだと思う。「確信がない状態で応募したのはとてもいいことだ。もしお前が、自分はその仕事をできると確信していて、にもかかわらずその仕事に就いていない・その仕事を得られていなかったら、とても嫌な気持ちになるだろうからな」言いたいことわかるよ。「どうすればシニアレベルに能力を高められると考えているんだ?」self reflection で毎回のように書いてることだけど、自分はシステム管理者ではなくアプリケーション開発者の経験しかないから、ネットワークやインフラなどの fundamental skills/knowledge に弱みがある。難易度の高い問題は大抵インフラやネットワークと深く関係しているから、そこを強化するのがシニアへの道だと思う。「なるほど、ではどうやって能力を高める?」この辺で、どうもこれはコーチング的な応対をされているなと気づく。おれに答えさせながら、足りない部分があればヒントを与えつつ自分で答えを導き出すように促していく手法だろう。実のところ、これまで何度も基礎スキルを勉強しようとしては、ものにできてこなかったんだ。本を読んだり、オンラインで勉強したり。「本とかオンラインでは不十分だな。概念はわかるかもしれないが、実際の問題解決とは違う。ハンズオンの経験が必要なんだ。それをどうやって獲得する?」言いたいことはわかるよ。それでいうと、昨日ちょうどそのネットワーク関連の問題を扱っていて、比較的手が空いているタイミングだったから、じっくり集中することに決めたんだ。丸一日その案件の調査と検証に費やして、基本的な概念の理解から実際に手を動かして色々実験することまで、色々やって、おおよそ理解して、回避策も見つかって、いい経験になったよ。まだ未解決の謎が残ってはいて、気になっているけど、ワークアラウンドを提供して問題解決するのが先決だからね。奇遇にも上司からの self reflection へのフィードバックで、「タスクの処理件数と応答速度と品質の両立を最重要目標に置くのはもちろん良いことだが、シニアレベルを目指す上ではスキル開発の時間も捻出すべきだ。君のチームはタスクを十分良くこなしているから、学習や研鑽をして専門分野を磨くことにもう少し時間を使っても問題ない」とコメントをもらったところだったんだよ。まあ、そんな感じで、苦手分野のタスクを積極的に拾って、実際の問題を深く分析することでハンズオンの経験を積んでいきたいと思っている。「いい心がけだな。そして面接がうまくいかなかったことは残念だが、お前がその経験を前向きに受け止めていることを嬉しく思う。こういう言葉がある」

He who knows what he knows, and knows what he doesn't know, is characteristic of one who knows.

「どういう意味かわかるか?」もう残り時間が 0 だったのに話し終わる気配も焦る気配もないので逆にこっちが気を揉んだが、うーん?「ややこしい文だよな。これは、何かを知っている人というのは、モノを知っているだけじゃなくて、自分が何を知らないかも知っている人のことを言う、という意味なんだ」あー、なるほど。いわゆる無知の知ってやつか。相変わらずいい言葉の引き出しが多いこと。ここらでレッスン?終了。

one-man show --> you have to do everything by yourself シニアレベルのポジションに要求される能力の話の中で「サポートの level とか tier とか layer みたいなのってわかる?」ああわかる「うちの会社は tier をはっきり分けていないけど、自分を含むサポートエンジニアは tier 1 & 2 の位置付けで、そのシニアポジションは tier 3 相当なんだ、だから最終ラインとして自力で解決に持っていく能力が必要なんだ」という話を、あれ前後が逆だったかな、ともかくしたらおどけて驚いた感じで「one-man show じゃねえか」でチャットに書いてくれた表現。