昨日は花粉症で疲弊していたので夕食後すぐ横になり、途中で起きて結局普段と大差ない時間(午前二時台)まで起きていたが、横になっていた時間が長かったおかげで今朝は body battery が 100 まで回復していた。フル充電は久しぶりだ。昨日は身体の鈍った感じも不快で疲れの原因だったが、今朝はそれもおおむね解消されていた。
今朝の上司との 1 on 1 で、シニアポジションへの応募に不採用となった件についてのフィードバックをもらった。面接を通じて、面接官三名が共通して受けた印象は、「トラブルシューティングや関係各所との協働へのアプローチなどがよく整理されている(organized/methodical)が、限られた時間で問題解決手法を次々と試したり、『最後の砦』として単独で問題解決を完結させる力量について十分な強みがあることは示されなかった」、みたいな感じであったらしい。端的にいうと、力量不足。仕事でも、時間的制約の厳しい状況に置かれる立場ではなく(おれのポジションはそういうタスクを担当しない役割なので)、そういう状況の経験が浅いので、そういう状況の経験がおれよりは多い他の候補者と比べて見劣りするのは当然だし、おれ自身もそこは弱みであまり自信がなかったので、妥当な結果だったといえるし、適切なフィードバックだといえる。
そのポジションに採用された人は早速発表されていて、同じ地域の中で(もし応募していたら)採用されそうだなと目星をつけていた数名のうちの一人だったので、やはり、と思った。その人と仕事での関わりは多くないので仕事ぶりは断片的にしか知らないけど、ある分野に精通していることを通常業務を超えた形でアウトプットしているのを何度か見かけたので、そういった部分も評価されたのだろう。応募者はおれを含めて五名いたそうで、残りの三名が誰かはわからないし、知りたいとも思わないが、誰が応募していたとしてもこの結果は順当だったといえるのだろう。
なお、先週の 1 on 1 のときに「後で別途話そう」と言われて「別途」の機会はついぞ予定が組まれなかったが、「先週金曜に声かけようと思ったんだけど日本はゴールデンウィークで休みだったもんでね」と言っていた。会議やら何やらで忙しくしている人なので、なかなか追加の予定を組むのは難しいよなと期待していなかったが、ちゃんと約束を守ってフィードバックをくれた誠実さには感謝している。入社以来、この人がマネージャーで一度のトラブルもなく良い関係を続けられていてありがたい。しかし近々この人の昇進に伴い上司が変わることがほぼ確定していて、残念だし不安もある。
そんな上司の誠実なフィードバックは、とはいえやっぱり気持ちが上がるものではなくて、なんとなく元気がないまま仕事をしていたら、思いがけない嬉しい出来事があった。ある機能を担当する開発チームのエンジニアリングマネージャーから上司とおれ宛に Slack で DM が来た。おれが最近作ったエスカレーションがとても良く書けていて助かった、と褒める内容だった。
エスカレーションとは一般に「上位の管理者に対応を任せたり指示を仰ぐこと」だが、技術サポートの仕事において開発チームに問題の調査を依頼したり不明点を質問したりすることもエスカレーションと呼んでいる。GitHub なので当然 GitHub Issues を使う。機能ごと、開発チームごとに課題管理用のリポジトリがあり、サポートからエスカレーションする際に使う特定の書式のテンプレートを穴埋めする形で Issue を作ると開発チームの担当者が対応する、という流れ。
EM 曰く、開発チームはしばしば曖昧なエスカレーションを受け取って、それがストレスのもとになっている。そのようなエスカレーションは問題点の理解に時間がかかり、実際の調査を始める前に多くの時間を浪費する。おれがその開発チーム宛に作るエスカレーションには一貫して十分な背景情報が含まれており、明快で簡潔に書かれている。事前調査に相当の努力を費やしてからエスカレーションしていると思うが、そのおかげで開発チームは問題解決により多くの時間を費やせる、と。数日前に作ったエスカレーションを一例に挙げてくれた。
おれ自身がソフトウェア開発者だったときにカスタマーサポートからのエスカレーションを受け付ける立場を経験した。エスカレーションの中にはコンテキストが欠けていたり、情報が不足していたりして、調査に難航したり、そもそも何が問題なのか理解することすら難しいものもある。そういうエスカレーションの対応は難しいし、調査が難航して時間がかかるし、必要な情報のやり取りが何往復も発生して開発者もカスタマーサポートもお客さんもストレスが溜まる。
そういう個人的な経験があるので、おれがエスカレーションする側になったからにはできるだけ情報量が多くて理解しやすいものにしようと思い、この開発チーム宛のものに限らず、おれにできる範囲の事前調査は済ませてその結果を記載するようにしてきた。開発者の中には、情報が足りないので調査できないと言い張ったり、問題を正しく理解せず的外れな回答で済ませる人もいて、そういう不誠実な態度は我慢ならないので、言い逃れできないように最初から全ての情報を開示してしまう、という動機もあるが(これを初太刀で殺る(しょたちでとる≒最初に斬りつける一撃で倒す)と呼んでいる)。おれが情報を小出しにされて困った経験から、相手を困らせないようにしているというのもある。
DM の数時間前に、そのエスカレーションを担当した開発者からも同様のフィードバックをもらっていた。おそらく彼が上司に報告、というか共有して、それを受けてその上司がおれの上司(とおれ)にわざわざ知らせてくれた、という流れだろう。ポジティブなフィードバックをくれてそれを EM に伝えてくれた開発者も、それをおれの上司に伝えてくれた EM も、そんなことしても彼らの得にはならないのにわざわざ労力をかけてくれたことがありがたい。たまにこういうことがあると、報われた気持ちになる。