@kyanny's blog

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下北沢ナイトウォーク〜埼玉県民、サブカルのまちへ〜

遠方よりきたる友人と夜の渋谷で会い、なりゆきでそのまま下北沢まで歩くことになった。周辺の地理に疎い田舎者二人が携帯電話の地図情報サービスを頼りに、深夜でもトラックの行き交う首都高の下をとぼとぼと歩く。迷った挙句三軒茶屋までいって、そこから下北沢駅まで、というコースだったのだが、「まちなみ」を眺めていて思うところがあった。

三軒茶屋といっても駅周辺ではなく(駅が近くに見当たらなかったから駅までは行ってないだろうという憶測)下北沢駅から徒歩20分程度のところをうろうろしていたのだが、三軒茶屋の「まちなみ」は、江戸っ子ではないが下町だった。懐かしいんだけどセンスがよくてどことなくおしゃれなたたずまいの家とかものがそこかしこにある。感じ入る友達を尻目に、しかし、埼玉のベッドタウンで生まれ育った俺はそこまで新鮮な何かを感じ取ることはできなかったのだが、それでも三軒茶屋はいいところだと思えたのは、直後に下北沢を見たからだ。

下北沢の駅に向かい、綺麗に舗装された道を歩いていくにつれ、だんだんと三軒茶屋の住宅街を縫うように迷い進んでいたときには感じなかった違和感が増していった。面白くもなんともない言葉で表現すれば「作られたまちなみ」ということだ。そして、深夜でも人が歩き、にぎやかさの名残ある駅周辺にたどり着くと、違和感をもっと感覚的な言葉で捕らえることができた。「ガンバりすぎ」なのだ。

なるほど、下北沢駅周辺には、おしゃれな雑貨屋やGIジョーでも売ってそうな通好みのホビーショップがごろごろしている。くねくねと曲がり坂だらけの道々も、いかにもという趣だ。しかし、どれもこれも「どうだい!これが下北沢ですよ」と自己主張するのに躍起で、つつましさが感じられない。

そこへいくと三軒茶屋は、ごちゃごちゃして入り組んだ筋道沿いにハッとさせられるようないい雰囲気のバーがあったりして、しかもそれが全然気負っていない。バーはまちを意識させないし、まちはそこにあるのが廃屋でも気にもとめないような放任っぷり。友達は「こんなところなら『バー魔の巣*1」があってもおかしくない」と言ったが、まさにそういう雰囲気だった。

まちが「ガンバっちゃってる」ように感じられるのは、そこにすむひとが「ガンバっちゃってる」からだと、俺は思う。下北沢といえば田舎者がすみたい東京のまちで必ず名前があがる土地だろう。なにせ「池袋は庭だと豪語するが渋谷では挙動不審になる*2」と看破される、東京に疎い埼玉県民の俺ですらよく知った名なのだ。でも、「ガンバって下北沢にすんでる俺」ってのはカッコ悪いなあと、あのまちをみて思った。

以上を読んで「俺たちの愛するシモキタをバカにしやがって!!」と怒り心頭に達したモニタの前のあなた。これを書いたやつが、「地元からいちばん近い『まち』は大宮」というダ埼玉県民だということを今一度思い返してみてほしい。そして感情の赴くままに、思いっきり笑うとストレス解消になっていいと思います!!!

やーいやーい大宮!!!!!!111

*1:笑ウせぇるすまん

*2:全国の都道府県の特徴を面白おかしくたとえるサイトに書いてあった。URL、サイト名を失念