職場で一年だか半年だか前から従業員エンゲージメントサーベイをやっていて、毎月ランダムに回答者が選ばれる。過去に三回くらい回答して、こういうの全く好きではないがそれでも毎回真面目に回答してはいるのだけど、なんというか職場環境が変わり映えしないので同じ設問に答えるのがちょっとうんざりしてきた。
「会社への belonging はありますか?」という設問の次に「もし他社から同条件のオファーを受けたら転職しますか?」という設問があって苦笑してしまった。弱気すぎるだろ。
会社への帰属意識は、はっきり言って感じられない。従業員ではなくコントラクターという感覚。フリーランスのほうがまだ参加してるプロジェクト(のオーナーである会社)への attachment を感じるんじゃないか、とすら思う。フルリモートだから、地方在住で出社してないから、同僚とのコミュニケーションが少ない仕事内容だから、"happy hour" みたいな social activity に参加してないから、などなど理由は色々挙げられるけど、根本的には会社や環境ではなく自分の気質の問題だと思う。会社組織というものを信用してないし、会社に人的な交流を求めていない。実際、帰属意識やコミュニケーションが希薄でも精神的に不安定になったりパフォーマンスが落ちたりはしていない(幸か不幸か、こなした仕事の量と質が数字で計測可能なので、たまに同じポジションの人たちと比較して顕著に低くないか確認している)。
ただ、会社組織への帰属意識が低いからといって、好条件になびいて転職するかというと、それは全然別の話。仕事内容への愛着というか責任感は大いにあり、士気は決して低くない。それは会社の事業に自分個人として意味と意義を見出せているからで、自分の仕事にもやはり意味と意義を見出せているからで、"belonging" とかとは関係ない。組織の一員でありたいから企業に所属しているわけではない。そうじゃない人が世の中には少なくないからこういう設問が用意されるのだということは理解しているけど、アンケート項目作成者はわかってないなあ、と思ってしまった。
かといって、静かな退職をしているとも思っていない。仕事を「最低限」に留めているつもりはないし、やっぱりそれとこれは別の話でしょ、という感覚がある。Don’t Like Your Job? Change It (Without Quitting) にも Find meaning が大事だよと書いてあるけど、仕事の意味・意義は自分で見出すから「自分ゴト」になるのであって、他人から与えられたり洗脳されたりしたものでは、きついときにメッキが剥がれてしまう。まあ、HBR の記事には Change who you interact with とも書いてあって、これは会社員として組織の中で生きる上ではもう少し意識したほうがいいかもしれない。嫌な人を避ける、という方向ではなくて、いいなと思う人との関わりを増やしていくことで、良い人間関係に時間を費やす機会を増やし、将来の人脈を育てる。まあそういうの苦手だから "belong" できてないわけだが。